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2022.05.27
ペットの熱中症にも注意が必要!症状や予防方法について解説します。
ゴールデンウィークも終わり、日差しがたっぷり降り注ぐ季節がやってきました。気温もぐんぐんと上がり、地域によっては海開きも始まっていますね。こんな時期に気を付けてあげたいのがペットの「熱中症」です。本記事では、獣医師監修のもと、熱中症の症状や予防方法を解説していきます。
熱中症ってどんな病気?
私たち人間も含め、暑さを感じる要因は「温度」、「湿度」、「風」、「輻射熱」の4つがあり、これらが影響して感じる温度を「体感温度」と言います。わんちゃんや猫ちゃんは、汗をかいて体温調節をする人間とは異なり、汗腺が少なく、ハアハアと呼吸をすることで体温を調節しています。体内から熱を逃がす効率は人間と比べはるかに悪いといえます。体温調節が追い付かず体内に熱が蓄積することで、熱中症になってしまうのです。
熱中症の症状
初期の症状・レベル1
暑さで元気がなくなり、ハァハァ激しいあえぎ(パンティング)の呼吸と大量のよだれが出ます。 また、目が充血したり、耳の内側や口の粘膜の赤味が強くなるのもよく見られる症状です。
中期の症状・レベル2
呼吸は浅くなり体温(直腸温)は40度を超え、脈拍が速くなったり、時に下痢や嘔吐をしたりすることもあります。 それと同時にぐったりしてけいれんを起こすこともあります。
末期の症状・レベル3
さらに症状が進むと、脱水症状がひどくなるため血液が濃くなってきて、血液の循環が悪くなります。 そのため血液によって運ばれる酸素が全身に十分行き渡らなくなり、酸欠状態になります。 そうなると初期症状とは反対に舌は真っ青(チアノーゼ)になり、意識がもうろうとしてくるなどのショック状態を引き起こし、死に至ることもあります。
特に注意が必要なケース
熱中症が起こりやすい条件
前日との気温差が大きいとき、気温は低いが湿度が高いとき、屋外と室内の温度差が極端に大きいときなどは特に気を付けましょう。
5~6月にかけては、平均気温はそれほど上がらないものの、寒暖差の激しい時期でもあります。夏のシーズンになってから対策するのではなく、少し早めの対策を心がけてあげる方がいいかもしれません。
熱中症になりやすいわんちゃん猫ちゃんの特徴
短頭種、仔犬仔猫、老犬老描、肥満、被毛の厚い長毛品種、心臓や呼吸器、腎臓や糖尿病などの疾患がある子については特に注意が必要とされています。
熱中症を防ぐには?
室内の温度調節
わんちゃんの場合、室内の設定温度は人間が少し涼しいと感じる25℃以下、湿度は60%以下くらいがオススメです。
猫ちゃんは、もともと砂漠地帯で暮らしていたと言われており、湿度には弱いものの暑さには強い傾向があります。そのため、エアコンをつける場合には26~28℃に設定してあげましょう。湿度は40~60%が良いといわれています。エアコンが苦手な猫ちゃんの場合は、扇風機で風を循環させるといいでしょう。
水分含有量の多い食事を増やす/水分補給をまめに行う
ペットが1日に必要とする水分量ですが、獣医師会発行の資料によると犬の場合は「体重(kg)の0.75乗×132(ml)」、猫の場合は「体重(kg)の0.75乗×70(ml)」で計算ができるとされています。ただ少々計算が手間なので、ざっくりと「必要な水分量(ml)≒1日に必要なエネルギー量」とすることもあります。つまり、1日に400kcalを摂取している場合には、約400mlの水分が必要というわけです。
しかし、これは「1日に必要な水分量」であって、「1日に飲む水の量」ではないことに留意が必要です。ドライフードには約7%の水分が含まれており、缶詰などのウェットフードには約70%の水分が含まれています。当然ウェットフードを食べているときは水を飲む量が減ります。大まかな目安として水として飲む量は、犬の場合40~60ml/kg、猫の場合20~45ml/kgが正常の範囲とされています。水を飲んで補うことが難しい場合には、ドライフードからウェットフードに食事を変えてあげることも検討してみましょう。
体を冷やす便利グッズを使う
触感冷却マット、冷却ジェルが使用されているマットや、アルミタイプのものもあります。ゲージなどに敷いてあげましょう。
もし熱中症になってしまったら?
体温を下げる処置が必要となるため、直ちに冷房の効いた施設や車などに避難させ、飲めるようであれば水を好きなだけ与えましょう。軽い症状であれば早い段階で重症化を防ぐことが可能となります。常温の水をかけたり、水で濡らしたタオルで全身を覆った後に扇風機で送風することや、凍った保冷剤をタオルで包み、太い血管の走っているわきの下やそけい部に挟んで冷却するのも効果的です。
ただ注意すべきポイントとしては、体を冷やさなければいけないからといって、冷水や凍った保冷剤を直接体にあてるのはNGです。末梢血管が収縮し逆効果となります。また、内臓にダメージを受けている場合もあるため、一時的に症状が落ち着いても放置するのではなく動物病院に必ず連れて行くようにしましょう。