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2022.01.14

【SOSを見逃すな!】アトピー性皮膚炎の兆候はズバリ色!?Vol.16

犬が手先足先を舐める一見普通な行動。
でも実はアトピーなどの皮膚病が隠れている!?
色々な早期発見方法や治療方法を丁寧に解説いたします!

獣医師・水野:この子の皮膚を全体的に見ていきます。

メインMC・安藤:はい!

水野:目周りですね。

安藤:右目の方がひどいですかね?

水野:そうですね。よく見ると赤いですね。

水野:次は顎の下の皮膚ですが、この部分も赤いですね。普段は毛に隠れているので分かりづらいですが、この子はトリミング後で毛が短いので見やすいです。

安藤:はい。

水野:そして、足のところだったり、首や背中など、全体的に赤いんですね。

安藤:これはトリミング後で皮膚が見えてるから、というわけではなくて?

水野:トリミング後だから気づいているというだけですね。普段からおそらく赤くて、実際この子は痒みの症状があるんですよ。治療をしていないと結構痒みが出る、皮膚にこういうように症状が出てくるんですね。

安藤:はい。

水野:放っておくと皮膚の状態が悪くなって感染がひどくなるので、早めに気づきたい病気ではあるんですね。

安藤:じゃあ、ワンちゃんが体を掻き出したらサインかなっていう感じですか?

水野:そうですね。あとよくあるのは、手先足先を舐めるということですね。「うちの子はよく舐めるのよ、癖なの」みたいに言っている方がいるんですが、詳しく調べるとアトピーやアレルギーといった皮膚病が実は隠れているということがありますね。

安藤:うーん。

水野:だから癖で舐めているのではなくて、実際には痒いんですね。治療してあげると、きれいに舐めるのが止まったりということはよくありますね。

安藤:アトピーをもらう原因はなんですか?どこから考えられるんですか?

水野:アトピーは生まれ持ってあるものだと思います。人でもアトピーの人って発症したら基本的には治るものではなくて、皮膚の中の水分を保持するタンパク質の量が少し欠けているんじゃないかという報告があります。皮膚が乾燥しやすいわけですよね。なので、皮膚がガサガサになると。

水野:だから、元々皮膚が弱い肘の内側や膝の裏などが症状が出やすいです。ワンちゃんも同じように、そういう皮膚の薄いところに症状が出てきて、どんどん全身に広がっていくという感じですね。

安藤:足先を舐めたりする他に、見抜けるポイントは何かありますか?

水野:よくあるのは、耳が痒いとか、口周りを掻いているというのはありますよね。

安藤:(今回の子では)耳の中もすごい赤いなと思ったんですけれど……。

水野:そうですね、耳の中もすごい赤いですよね。アトピーは耳だけに症状が出ることがあります。外耳炎、耳の炎症かなと思って色々調べてると「実はアトピーでした」「アトピーの症状が耳だけに出ていました」ということはあります。

安藤:何か治療法はありますか?

水野:ワンちゃんも塗り薬はありますが、全身に毛が生えているので……。今回のワンちゃんの場合は全身に症状が出ていて、全身に塗るかというと難しいです。その場合は飲み薬で治療していくわけですね。アトピーは古くからステロイドで治療することが多いのですが、ご存知の方が多いように副作用が結構気になります。ステロイドを使い続けるのがどうかな、と思うわけですよ。

水野:最近は良い薬がたくさん出てきていて、ステロイドじゃない薬や飲み薬があります。後は注射でもアトピーがコントロールできるお薬が出てきています。お家での投薬が要らないです。

安藤:病院で全部済ませちゃうということですね。

水野:そうです。

水野:すごく副作用が少なく治療ができるようになってきているのかな、と思います。

安藤:部分的にアトピーになってしまって、塗り薬を処方されたとき。ワンちゃんってアトピーの部分を舐めたり掻いたりすると思うんですが、そういう場合はどうしたらいいですか?

水野:舐めることが問題になってくるのであれば、飲み薬になります。でも、舐めても全然問題ないという考えもらいます。舐めるまでの間に5〜10分の時間が稼げるのであれば、塗ってから散歩に行って塗った場所から気を逸らすという方法で、塗ったところに薬がついているようにすることもできます。舐めて体の中に入って効くという薬もあります。

安藤:えー!すごいですね。

水野:なので、舐めても問題ないのかなと。舐めることで治らないのであれば、内服薬や注射に切り替えていく必要はありますね。

安藤:目安としては、どのタイミングで病院に連れて行った方がいいですか?

水野:そうですね、もしも痒みがあるのであれば、病院に行くべきなのかなと思います。

水野:また、痒みがなくても皮膚が赤いなということがあるようであれば、病院に行った方がいいのかなと思います。

水野:アトピーの場合は早めに治療することで皮膚を健康な状態に保てますので。アトピーが悪化していくと、他の病気も重ねってきます。そうなると治療が難しくなって、元に戻せないことになってしまうので、早めに病院に連れていく方がいいかなと思います。

安藤:普段犬を見ていて、よりピンク、より赤くなっていたら病院に行った方がいいですか?

水野:そうですね。「家の子の皮膚はこれくらいの色」って思っていても、実はそれがおかしいかもしれません。

水野:ワンちゃんの皮膚は正常では大体白っぽ色をしているはずなので、ピンク色をしていたら病院に連れて行ってもいいのかもしれないですね。

安藤:ありがとうございます。

今回の総括

安藤:それでは、今回のまとめをお願いします。

水野:アトピー性皮膚炎かなと思ったら、病院には早めに行った方がいいと思います。皮膚が痒いとか、皮膚が赤いとか、色の違いだけでももし気づかれたら病院に連れていくのがいいのかなと思います。

安藤:ありがとうございました!

水野:ありがとうございました!

安藤:それでは次回の記事でお会いしましょう!さよなら!

水野:さよなら!