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2022.01.14

【猫の病気】肉球にできものを見つけたらエイズや悪性の可能性がないか動物病院へ!!Vol .14

汗を出したりクッションになったりと、様々な役割を持つ大切な猫の肉球
爪のようなできものを肉球に見つけたら、深刻な病気の予兆かもしれません!!
大事な健康を守るための注意点を獣医師が解説します!!

獣医師・村井:肉球って、またの名を「パット」と言われます。正式名称として「蹠球(しょきゅう)」と呼ばれることもあります。ちょっとあまり聞き慣れないんですけど。

メインMC・安藤:きれいな肉球ですね!

村井:はい。

村井:前足の指は5本ですね。今映ってるのがありますが、これが肉球ですね。今回は、肉球という言葉で統一していきます。

村井:肉球の指のところにあるものが「指球(しきゅう)」。指の球って言いますね。

村井:手の平っぽいところにあるのが「掌球(しょうきゅう)」ですね。

村井:「狼爪(ろうそう)」という、親指のところについている肉球を「手根球(しゅこんきゅう)」と言われます。肉球にも様々な名前が付いています。

安藤:親指のところも合わせて5本ということですね?

村井:そういうことになりますね!

村井:これが肉球にできているものになります。ちょっと爪のようにも見えますし、できものにも見えます。

安藤:何か刺さっているように見えますね。

村井:刺さっているようにも見えますね。これが今回の肉球のできものです。結構たくさんありますね。

安藤:すごいですね。サンゴみたいですね。

村井:サンゴ(笑) 刺さっているように見えるけど、生えているんですね。後ろ足も見てみましょう。

村井:爪みたいですね。毛にも見えますね。

安藤:尖っているようにも見えますね。後ろ足も5本指ですか?

村井:4本なんです、後ろ足はね。

安藤:あっ、4本!

村井:後ろ足のこの指のところにあるのを、「趾球(しきゅう)」といいます。

村井:ただし、この4本を「趾球底(しきゅうてい)」とまとめて呼ぶこともあります。

村井:足の底のところにある大きい肉球を「足底球(そくていきゅう)」。足の底の球と言われています。

村井:肉球ってそもそも何でできていると思いますか?実はこれ、表皮・真皮・皮下組織といって結合組織でできています。だから、筋肉でも脂肪でもありません。

村井:組織が入り乱れて作られているので、血管がすごい少ないです。傷がついちゃうと実は治りにくいと言われているんです。

安藤:血も出ないんですか?

村井:全く出ないというわけじゃないけど、出にくいです。

安藤:血管が詰まっているからピンク色になっているのかなと、思っていました。そういうことではないということですね。

村井:そうなんです。血管が全くないわけではないので、色的には血の色をあらわしているというのはあると思いますが、血管がすごく多いわけではないです。

村井:肉球の役割って何だと思いますか?

安藤:滑り止め?

村井:おおー!汗を唯一かける部分で、滑り止めです。

村井:あとは、高いところから猫ちゃんって降りるじゃないですか。

安藤:ああ!降りますね。

村井:そのクッションになりますね。もう一つはセンサーの役割として、暑いとか痛いとかを感じています。なので、前を向いて歩けるというのは、ちゃんと肉球に知覚があるからなんですね。

村井:あとは「臭腺(しゅうせん)」を出すとも言われているので、マーキングしていって臭いをつけるというのも役割です。

村井:先ほどのできものですが、またの名を「皮角(ひかく)」と言われます。あとは「肉球爪状物質(にくきゅうそうじょうぶっしつ)」とも言われます。言い方は色々あるんですけど、要は皮膚の角質という表皮の外側の部分が盛り上がってきて、角化(かくか)異常といって皮膚がイボのようになってしまうというのが一つ。あとは爪状のものが出来上がってしまうと言われているものなんです。

村井:この原因は、実は猫の白血病やエイズなどのウイルスでできてしまうというのもあれば、逆に原因が不明のものもあります。要は、ウイルスが関与していないものもあったりします。できものそのものを病理検査に出すと原因が分かったりすることもあります。

村井:あとは、「形質細胞性皮膚炎」といって肉球にできてしまうような免疫異常、皮膚炎ができてしまってイボみたいなものができてしまうものがあります。もっと酷くなっていってしまうケースもあります。あくまでも病気なので薬を飲まないといけないケースもあります。

村井:原因は様々ですし、原因が不明のこともありますし、何か悪いものという可能性もなきにしもあらずなので病院に行って。何ともないということであれば、カットしてあげればそんなに問題はないかなと思います。

村井:意外に肉球のイボは気づきにくいんですよ。

安藤:はい!

村井:足の裏だし、大きくならない限り音がしません。柔らかいからそんなに硬いところ歩いても音しないじゃないですか。猫ちゃんの場合、あんまり肉球のあたりを触られるのは嫌いなだから、爪切り以外では分からないので。できたものが時間経ってしまうと、今回の例のようにイボの数が増えちゃったり大きくなったりします。

安藤:トリミングに行って発見するということも一つの手ですか?

村井:猫ちゃんてトリミングそのものが嫌いなので、あんまり出す方が多くないんですね。だからお家でしっかりコミュニケーションを取りながら触ってあげて、たまには肉球も見てあげるというのが大事ですね。

安藤:ありがとうございました!

村井:ありがとうございました!

今回の総括

安藤:先生、本日のまとめをお願いします!

村井:猫ちゃんはトリミングにも行かないことが多いので、できればお家で肉球をしっかり見てあげて何か異常があれば早期に動物病院にいきましょう。そのままでもいいのか、病気なのかというのをちゃんと確定診断するというのが大事ですね!

安藤:ありがとうございます!それでは次回の記事でお会いしましょう!さよなら!

村井:さよなら!