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2021.11.05

異物摘出!猫がよく嘔吐するのは飲み込んだアレが原因!vol.1

最近よく吐く、便秘がひどいなど不調の原因はおもちゃの誤食が原因かもしれません!!
痛みを伴わないエコー検査とお腹の異物を見つける内視鏡検査を解説します!!

獣医師・山下:では、何がお腹の中にあったのかというところから見ていきましょう。今、内視鏡で引っ張っています。

メインMC・安藤:内視鏡で引っ張っているんですね。

山下:はい。

山下:麻酔がかかっているので、猫ちゃんに痛みや恐怖心はもちろんありません。

安藤:いやー!

山下:すごいですよね。

安藤:まだまだ出てきますか?

山下:まだ引っ張っています。

安藤:こんなによく飲み込みましたね。

山下:はい。

安藤:出てきた!

山下:こんなに大きいのがお腹の中にあって、お家で吐いていたという状況でした。

山下:これはストッキングを誤食してしまったという状況でした。

安藤:ストッキングを!はい。

山下:ここに至るまでに、お家でどんな症状が出ているのか。そして動物病院に来てどんな検査をしたのかというところを、見ていこうと思います。

安藤:はい!

安藤:これだけの量だと、飲み込むのも一苦労だったんじゃないかなと。

山下:猫は紐とか猫じゃらしのようなオモチャがたくさんあると思うんですが、遊びながらカミカミしてしまって、気付いたら飲み込んでいるということもあります。「紐状異物」と言いますが、意外とワンちゃんだけじゃなくて、猫ちゃんにも結構多いんです。
胃の中に入ってしまった異物がゴロゴロと動いている状態というのは、「なんだか気持ち悪いな。でもご飯も食べられるし、うんちも出る」と、実際の日常生活の中で症状が出ないこともあります。

安藤:はい。

山下:この子の場合は、「お家でなんか最近吐くんですよ。でも食欲はあるし下痢をしているわけでもない」ということでした。「オモチャでよく遊ぶ子だから、もしかして食べてしまったかもしれない」というのが主訴で来てくれました。

山下:これが一番良くされる検査で「エコー検査」です。

安藤:エコーですか。

山下:はい。

山下:エコー検査は、動物さんたちがゴロンと横になった状態でできる検査です。全く「侵襲性」がない、つまり痛みとかもないですし、レントゲンのような放射線が出るわけでもないので、検査としては有用です。

山下:これは、麻酔をかけて内視鏡のカメラを口から入れています。食道を通ってどんどん胃の中に進めている状態ですね。

安藤:すごいピンク色で綺麗ですね。

山下:食堂や胃の粘膜は、潤った粘膜で包まれています。例えば胃潰瘍があると赤いポツポツが見えたり、ポリープがあるとキノコのようにプリンと出ていたりとかします。内視鏡というのは実際に目で見て確認できるので、とても有用な検査ですね。

山下:いま、胃の中へ内視鏡のカメラが到達しました。明らかに何かがあります。何か布っぽいねというのが分かりますね。この時点で、引っ張って取り出せるものなのか、引っ張ってしまうの危険なものなのかということの判断がつきます。

山下:胃は十二指腸に繋がっていますが、十二指腸につながるところでちょっと細くなっていますんですよ。だから、押し出そうと胃も腸も頑張って流そうとするんですが流れきらないです。

安藤:うーん。

山下:一番怖いのは、十二指腸に流れてしまって、腸の部分で詰まることです。胃の中に留まっている内は「違和感があるなー」という状況なので、ゲーゲー吐いたりすることはあまりありません。

安藤:はい。

山下:腸に異物が流れてしまったら腸を完全に閉塞させるので、そこで詰まっちゃって何も流れなくなります。なので、1日1〜2回吐いていたっていう症状が1日5〜10回ゲーゲー吐くようになっちゃったとなると、いよいよ流れてしまったと思います。

安藤:いやー。

山下:そうなるとお腹を開けないといけないですね。胃切開・腸切開と言います。腸に異物が流れてしまって詰まった時って、うんちも出なくなるんですよ。そこでせき止められているので。

安藤:ああー、そっか。

山下:最近、うんちも出ないし食欲もないし、食べたらすぐ吐くなんていう症状があると、非常に危険な状態ですね。

安藤:まずいですね。

山下:はい。

山下:この子の場合は不幸中の幸いなのか、胃の中に留まっていました。内視鏡の先っちょが挟める「鉗子」なんですが、これで実際に挟んで引っ張り上げるという状態です。

安藤:ちょこん。と引っ張っていますね。

山下:それをググーっと引っ張っていって、掴んで出来たのがこれですね。

安藤:これですね。いやー。

山下:こうやって取れて、本当に良かったと思います。幸いストッキングだったので引っ張ってちぎれるということがなかったんですけど、モロモロとなっている布や紐だったら途中でちぎれてしまうことも。何度も内視鏡を入れないといけない状況になっていました。

山下:これですね。

安藤:おわー!もう千切れそう。

山下:この辺は危険な感じがしましたね。塊があったから十二指腸に流れずに済んだのかもしれないです。先の細い部分だけだったら流れてしまっていたかもしれないです。

山下:腸の細い部分にこの異物が詰まってしまうと、腸自体を切り取らないといけなくなる場合もあります。

安藤:驚きですね。

山下:今回のようなケースは、ご自宅の猫ちゃん、もちろんワンちゃんも起こりうることなので。オモチャで遊ぶとか、ワンチャンであればボール遊びが好きならボールを噛んで破片を飲み込んでしまうことがあります。

山下:最近であれば、ワイヤレスのイヤホンがあるじゃないですか。

安藤:はい!

山下:ワイヤレスイヤホンが、結構多くなってきましたね。飼い主さんが「片方のイヤホンがない…」と気付くんですけど、もしかしたらということもあるので、気をつけてください。

今回の総括

安藤:それでは先生、本日のまとめをお願いします!

山下:お家で飼っているワンちゃん、猫ちゃん。日頃からオモチャで結構遊ぶ子は特になんですが、「1日1回2回なんかちょっと吐くな」っていう症状がある場合や、「最近うんちが出ない」というサインが出た場合は、もしかしたらオモチャや紐など何かを誤食してしまっている可能性があります。体に害のない検査方法もありますので、早めに受診してもらったほうがいいかなと思います。

安藤:ありがとうございます!

山下:はい!

安藤:チャンネル登録とグッドボタンをよろしくお願いいたします。次回の動画でお会いしましょう!さよなら!

山下:さよなら!