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2023.12.04
【命の危険】犬のガン切除手術とその後の経過をお見せします。Vol.76
放っておけば1~2ヶ月の命…
診察の翌日に緊急手術を行いました
その一部始終をご覧ください!
水野:こんにちは!WOLVES HAND調布動物医療センターの獣医師、水野です。
よろしくお願いします。
スタッフ:よろしくお願いします!
今回は前回に引き続き、ワンちゃんの口の中にできた出来物です。
水野:手術はこの腫瘍を中心に、前と後ろのあごの骨を摘出します。
どうしても構造上奥の方の骨が見えないので、まずは唇を切ります。
スタッフ:あごの骨を取っても生活はできるんでしょうか?
水野:そうですね。最初はリハビリや慣れが必要です。
片側のあごの骨がなくなるので、最初は物が食べづらかったりします。
ですが、慣れてドライフードも食べられるようになっていくのがほとんどです。
水野:これがレントゲンの画像です。
手術前にどこからどこまであごの骨を取り除くか計画します。
実際には、一番後ろの奥歯から犬歯のちょっと後ろまで切除するという計画で
手術を開始しました。
水野:これが手術後、入院中の状態です。
通常通りご飯が食べられています。
缶詰ですがちゃんと口からこぼれずに食べられているので、割と慣れが早いのかなと思います。
スタッフ:あごの骨が無いとは思えない、口の動かし方ですね。
水野:そうですね。この子は上手だなと思いますね。
食欲もあって元気もあるし、問題のない術後だと思います。
スタッフ:退院はすぐですか?
水野:こういう場合、そこまで時間をかけずに退院できると思います。
この子の場合は、他にも膵臓の炎症や糖尿病があったので、いろいろ治療をしたので
少し長めの入院になりました。
あごの骨の手術だけでしたら、おそらくそんなにはかからないかと思います。
水野:これも手術後で、毛が割と生えている状態です。
これから唇のところの糸を抜歯する状態です。
あごも問題なく開け閉めできる状態ですし、見た目も元通りになってきているのかなと思いますね。
水野:これは手術をした部分を、麻酔をかけて見ているところです。
綺麗にくっついているかなと思いますね。
この子は病理検査に腫瘍を出して、悪性の腫瘍だったと判明しました。
おそらく腫瘍が取り切れているという判断で、手術後に関してはおそらく健康に生きていけるのかなと思います。
水野:口の中の腫瘍は悪いものが多くて、転移したり取り切ってもその後肺に転移して
亡くなってしまうケースが多いので、なるべく早く手術をしたほうがいいのかなと思います。
この子の場合はうまく取り切れて、今のところは再発もなく元気に過ごしているという状態ですね。
スタッフ:口の中を見るというのは、家ではなかなか難しいと思います。
歯茎が腫れていたり、ご飯を食べにくそうにしていたら、すぐ病院に連れてきたほうがいいですよね?
水野:そうですね。口の中の腫瘍は特に進行が早いですし、悪性のものが多いので、
何かできているなと思ったら早めに病院に来てもらったほうがいいと思いますね。
口の中の腫瘍を摘出するのはよくある手術ですが、
あごの骨を摘出する手術はなかなかやっている病院が少ないかと思います。
もし必要がありましたら、来院していただければと思います。
ありがとうございました。
スタッフ:ありがとうございました!