BLOG
ブログ

2022.08.28

ごっそり!犬の耳掃除をしたらカビがいました… Vol.47

ごっそり!犬の耳掃除をしたらカビがいました……。
犬の耳垢の色が濃かったりベトついていたら、病院で見てもらいましょう。


獣医師・村井:この子は頭を振っているということで、病院に来られました。頭を振っているということは、だいたい頭の中に何か問題があることが多いです。


村井:多くの場合は耳の中に耳垢が溜まっていて、それを気にしていることが多いですね。人の場合は耳が水平に入っていますが、ワンちゃんの場合は垂直に2cmぐらい下に行って、頭の中心の方に1cm進むと鼓膜があるような構造になっています。


村井:その鼓膜の方から耳の外側に向けて、ベルトコンベアのように耳垢が出るようになっています。何らかの原因で耳垢がたくさん出てしまうと、うまく排出できなくなってしまいます。この子のように、耳の通り道(耳道)の出口に耳垢が固まってしまったりしまいますね。


スタッフ:すごいのが取れましたね。

村井:すごいのですね。

スタッフ:この耳垢の色は、ワンちゃんにとって普通ですか?

村井:もう少し色が薄い方が良いですね。こういう風に黒っぽくなっているのは、ある感染症があるときです。


村井:マラセチアというカビの一種です。脂が大好きなカビです。


村井:病院でのワンちゃんの耳掃除の仕方は、まず最初、耳の中に耳垢を溶かす液体を入れて、耳の根元を優しく揉みます。


村井:この方法をお家でされる方もいらっしゃいますが、揉む力が強いとそれが原因で外耳炎になってしまいます。お家でされる場合は、耳の中に液体を入れてワンちゃんに頭を振らせる方法が安全だと思います。


村井:病院では、補足した綿花を耳の中に入れて、溶けた耳垢を拭い取ります。この子の場合は耳垢が結構多かったので、何かおかしなものがないか耳垢のチェックをしました。


村井:このような形でスライドガラスに入れて、色を染めて感染症がいないかを確認しました。


村井:耳ダニっていう寄生虫に感染しても、黒い耳垢が大量に出てきます。そういうものがいないか、顕微鏡でチェックしています。


村井:先ほど染色したものがこちらです。だるまみたいになっているのが、マラセチアというカビの一種です。

村井:ワンちゃんの場合、耳の中はジメジメしていて油分も含んでいます。他の要因としてアレルギーやホルモン病など、年齢を重ねると耳垢が大量に出てきてしまったりします。あれだけ耳垢があると、本人も耳の中の違和感が強くて辛いでしょうね。

今回の総括


村井:耳垢が大量にあると、それが原因で外耳炎になってしまったりもします。外耳炎も放置すると、耳の中が膿んでくることもあります。そうなる前に、先手先手で病院に行ってもらえたらと思います。

スタッフ:はい、わかりました!ありがとうございました!

村井:はい、ありがとうございました!