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2022.04.07

【命を救え】ハムスターの腫瘍を切除した結果・・・ Vol.27

ハムスターにデキモノができました。
全身麻酔をして切除することに。
対処法をお伝えします!(病院:調布動物医療センター)

獣医師・水野:左腕に大きな腫瘍が出来ています。それで上手く歩けない、手術できないと断られたんですね。

メインMC・安藤:今日はハムスターのガンについて先生に伺っていきたいと思います。お願いいたします。

獣医師・水野:はい。まずこの子を見ていきたいと思います。これが手術前の状態です。左腕に大きなガン腫瘍ができていて、上手く歩けない、左手がうまく使えない状態です。

水野:年齢が2歳2ヶ月なので、かなり高齢です。実際に手術するのかしないかというのは、飼い主さんもかなり迷われたのですが、急に腫瘍が大きくなっていたので、手術をしようかという決断をされました。

水野:これが手術前の麻酔がかかっている状態です。

安藤:プクプク。

水野:これだと見やすいかと思うんですが、左腕を巻き込んでいて、かなり負担になっているかと思います。ここから手術を行っていきます。

水野:こちらが実際に手術を行った後の状態です。

安藤:キレイに無くなっていますね。

水野:そうですね。今回は腫瘍が腕に巻き付いている感じで、広い範囲を切る必要がありました。しかし、うまく移植した皮膚がくっついたので、キレイに縫えたかなと思います。今回のように、この子は手術できないと他の病院で断られて来られるというようなケースもあります。出来ないと言われても、諦めずに他の手術できる病院を探していただければいいのかなと思います。

水野:これが麻酔が覚めた後の状態ですね。この時点である程度元気かなと思いますが、やはり大きな手術を受けた後ですので、左手が突っ張ったような感じで、まだ上手くは使えていません。

水野:これが傷が見やすいかなと思います。

安藤:そうですね。これは切って縫っているんですか? それとも剥がしているんですか?

水野:この子の場合は、腫瘍が大きかったので、腕の皮膚はほとんど全て取る必要がありました。腕の皮膚をすべて取った上で、体の方から皮膚を移植して手術しました。

水野:歩きですが、若干左手がこの時点では上手く使えていないような感じですね。

水野:そしてこれが1週間後なのですが、もうすでに皮膚がキレイになっていて、ちゃんと腕を使えています。

安藤:確かにちゃんとしがみついていますね。

水野:もうこの時点でご飯が食べられて、元気な状態に回復しています。

水野:皮膚を縫っていた糸を取ったあとが、こんな感じです。まだ糸があった場所は傷が残っていますが、この傷跡も数日から1週間ほどで、元の状態まで回復します。手も通常通り使えるようになります。

水野:ハムスターはご飯を両手で持つんですよね。片手を取ってしまうとご飯をうまく食べられなくなるので、なるべく手は残したいです。今回は腕に腫瘍が巻き付いていて、腕を切断する可能性もありましたが、何とか切断せず残せました。

水野:これがさらに時間が経過した状態ですね。

安藤:もう全然動けていますね。

水野:そうですね。元気になりました。

安藤:あ、毛も生えてきていますね。

水野:この子の腫瘍を病理検査に出したところ、結果的にはガンでした。今後再発していかないかは見ていく必要がありますが、腫瘍は取りきれていて、今のところは再発もなく元気な状態です。

安藤:ハムスターのガンの進行は早いんですか?

水野:早いですね。ハムスターはおそらく寿命が短いのと関わっているのですが、進行は非常に早いですね。

安藤:どこにできるかもその子次第ですか?

水野:そうですね。

安藤:そしてどこにできても進行は早い。

水野:そうですね、早いような印象がありますね。「なんかデキモノができたな」と言う場合は早めに病院にかかって、検査治療をしていくのがいいのかなと思いますね。

安藤:手術にリスクがあると最初におっしゃっていましたが、それは年齢が原因ですか? それとも体の小ささが原因ですか? どちらの問題で、病院を回されていたと思いますか?

水野:この子の場合はおそらく年齢かと思います。でも、ハムスター自体麻酔のリスクが大きいので、手術をしないという所もあります。さらにこの子は高齢なので、手術するかしないかというと、しない選択になってくるのかなと思います。ただ手術をすることにもメリットがあります。もしこの子があと数ヶ月生きるとなったときに、あの腕の状態で生きることは難しかったと思います。手術をしたことによって元気に生きていけると思うので、この子に関しては手術をして良かったと思います。

安藤:そうですね。ありがとうございます。

今回の総括

安藤:それでは、本日のまとめをお願いいたします。

水野:はい。ハムスターですね。腫瘍ができやすいですので、何かあるなと思ったら、病院にかかる。

水野:もしその病院で手術ができないという場合は、できる所を探すとか、知り合いの人に聞いてみるとか、そのようにしていただけるといいのかなと思います。

安藤:それでは、次の記事でお会いしましょう! ……さよなら!

水野:さよなら!