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2022.04.26

家ではできない!犬の内耳炎にはレーザー治療 Vol.30

治療しにくい犬の内耳炎。
ハイパーレーザー治療器が有効です。
あなたのワンちゃんに役立つ情報をお届けします!

獣医師・山下:最新の治療法です。治療が行き届かず、外耳炎・中耳炎・内耳炎につながる耳の奥にも使えます。

メインMC・安藤:今日は、ハイパーレーザー治療器について伺っていきたいと思います。

山下:最新の治療法で、人間の温熱療法みたいなイメージです。整形外科とかで首が痛いとか腰が痛いというときに、レーザーを当てて血液の流れをよくしましょうという治療法があります。それと似たような感じです。

安藤:なるほど。分かりやすいです。

山下:今回協力してくれたワンちゃんは、フレンチブルドッグさんです。

安藤:イケイケですね。

山下:このレーザーは、目に入ると目への影響が出てしまって、失明につながってしまいます。特にフレブルちゃんはとても似合うんですが、顔周りの治療をするときは、このように眼鏡をかけて行います。

安藤:これは人間でもそうですか?

山下:はい、人間でもそうです。専用のグラスが付いているので、人間でもレーザーをするときは、それをかけて行っています。

山下:今当てているところは、耳の奥です。耳の奥はどうしても治療が行き届かないところで、外耳炎・中耳炎・内耳炎につながります。耳炎の時は奥の方の治療が併せて効果があると言われていて、耳道から鼓膜にかけて、そしてその奥の鼓室胞のあたりをめがけて、レーザーを当てています。

安藤:かなり奥までレーザーが届くんですね。

山下:そうですね。炎症を鎮めてくれる効果があり、また血管を広げてくれる効果もあります。そのため内科治療をしている場合は、内服薬が効きやすくなる等の相乗効果もあるので、おすすめです。

安藤:レーザーを当てて、どのくらいで治る、というのはあるのでしょうか。

山下:痛みが断然和らいだというケースはあります。その日すごく調子が良かったという方は、レーザーだけをして帰っていくこともあります。やらないよりはやった方がいい治療ですね。

安藤:そうですよね。

山下:実際に炎症のもととなる物質が減らされているデータも出ています。そのため、自信をもって治療が早まりますよというお話をして、同意が得られたら当ててもらう、というような流れですね。レーザー治療がある動物病院というのが全てではないので、こういった治療がありますよ、という情報ですね。

安藤:このハイパーレーザー治療は、他のどのような症状の時に使えるのでしょうか。

山下:多いのは、肛門膿の破裂です。血管が少ないので、薬が効きにくいんですね。外からレーザーを当てることによって、炎症を鎮めてあげる、治療を早めてあげることができます。そのため、肛門嚢炎や肛門嚢破裂の時は使います。また、耳血腫で耳に血が溜まると、炎症が強く起こるので、やはり薬が効きにくいんです。耳血腫になってしまうと、そこに繊維が溜まって、硬く残ってしまうこともあります。レーザーは、その残った繊維や塊を散らしたり、小さくしてくれたりする効果も出ています。そのため、耳血腫の時にも使っています。治癒を早めてくれるので、傷があったところにレーザーを当てることもありますね。

安藤:ヘルニア等はどうでしょう。

山下:そうですね、首や腰の痛みなど、やんわりした状態にも使えます。私たちで言ったら寝違えたとか、そういうことにも人間の病院で使われています。ワンちゃんネコちゃんの、どこかしらの痛みの時にも使えますね。あとはネコちゃんで多い口内炎も、鎮めてくれる効果があります。ですので、ネコちゃんもゴーグルをかけて、口をちょっと開けさせてもらって、歯茎の炎症が強いところに短時間当てると、非常に効果があります。あとは骨折をした後の子が手術をしたりとか、ギプスを巻いて外固定をしたりするんですが、骨の増生や治癒の効果も高めて血液の循環を良くしてくれるので、骨折も治りやすくなったりしますね。

本日の総括

安藤:本日のまとめをお願いいたします。

山下:はい。ハイパーレーザーセラピーは、様々な効果が得られると言われている、最新の医療技術です。

山下:治癒を早めてくれたり、炎症を鎮めてくれたり、痛みを緩和してくれたりと、色々な効果があります。

山下:一度、獣医さんに相談してもらったりですとか、病院の方に問い合わせしてもらって、効果のほどを試してみてください。ワンちゃんネコちゃんたちが心地よくなっているなとか、生活が少し改善されたなとか、目に見えてわかるときもあります。そのような場合はぜひ続けてあげて、治療を進めていってあげてください。

安藤:それでは、次回の記事でお会いしましょう。さよなら!

山下:さよなら!