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2022.06.02

死の危険!ハムスターの頬袋が出ちゃった結果… Vol.34

死の危険も!
ハムスターの頬袋が出ちゃったらどうしたらいいの?
ハムスターが健康的に暮らせる知識を身につけよう!

スタッフ:大きいですね。

獣医師・水野:頬袋がひっくり返って出てしまっている状態です。最終的には腐ってハムスター自体も死んでしまうことが多いです。

水野:今日はハムスターの頬袋脱です。

スタッフ:大きいですね。痛みはありますか?

水野:おそらく違和感があって、痛みはこの状態ではないかと思います。ハムスターって餌を溜め込みますよね。その頬袋がひっくり返って出てしまっている状態ですね。この状態だと頬袋に炎症が起きて、最終的には腐ってハムスター自体も死んでしまうことが多いので、治療をしていきます。

水野:今日のこの子は、生後6ヶ月の雌のジャンガリアンハムスターですね。頬袋脱はジャンガリアンハムスターに多くて、来院することが結構多いかなと思います。

スタッフ:これも年齢関係なく?

水野:そうですね。頬袋脱の原因は、頬袋に詰めた食べ物を押し出すときに、頬袋がひっくり返って出て来てしまいます。

水野:なので、特に粘着性のあるもの、ネバッとしたものを入れてしまい、粘着性のあるものがなかなか出ない。頑張って出そうとして、ひっくり返って出てしまうとか。

水野:あとは頬袋に腫瘍ですね。腫瘍ができたときに、ひっくり返って出て来てしまうことが多いですね。自分で頬袋を元に戻すことができないので、何かが出ていると気づいた場合は、急いで病院に行ったほうがいいと思います。

水野:治療関しては、基本的に初期であればもとに戻して口の中にしまうだけ。もしくは、しまって皮膚の上から頬袋を固定してあげるだけで治ることもあります。

水野:やっぱり、時間が経ってしまったり、ここまで大きく出て来てしまうと、基本的には手術が必要です。手術では基本的には頬袋を摘出します。

水野:ハムスターで頬袋がなくて大丈夫かよく聞かれますが、全然生きていくのには問題ありません。頬袋が出ていることでいずれ亡くなってしまうので、取ってあげるという感じです。

水野:これが、手術前の麻酔がかかっている状態です。よく見ると先の方が変色しています。

スタッフ:壊死してしまっているような色ですね。

水野:腐りかけているのかなと思います。

水野:これが手術後の状態です。綺麗に取れていると思います。ここから麻酔を覚まして術後の状態がこちらです。

スタッフ:だいぶ綺麗になりましたね。顔まわりもスッキリして。

水野:もう外から見ると問題なく、正常な顔になっていると思います。

スタッフ:これは抜歯はしますか?

水野:抜糸はしないですね。基本的には溶ける糸を使うことが多いです。先生によっては抜糸をすることもあるかもしれないですね。

スタッフ:当日からしっかりご飯も食べられる状態ですか?

水野:そうですね。術後から普通に食べられる状態ですね。逆に、頬袋が出ていてご飯が食べられないことが多いので、頬袋を取ってあげると急に食べ出すということもありますね。

スタッフ:本日のまとめ、お願いいたします。

水野:ハムスターの頬袋脱は分かりやすい病気です。見つけたら早めに病院に行って、すぐにしまって切り取る必要がなければそれがいいと思います。

水野:手術ということになれば、早めの手術をお勧めします。