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2023.03.15

【超巨大】フェレットの腫瘍摘出後の様子を解説! Vol.64

超巨大な腫瘍で命の危機に瀕していたフェレットですが
手術をすることで元気を取り戻しました!
そんなフェレットの術後の様子を解説!


水野:こんにちは。WOLVES Hand獣医師の水野です。
今回は、フェレットの脾臓腫瘍の手術後の状態を見ていきます。


水野:お腹を開けていたところを糸で縫っていて、この糸を抜きし終わった状態です。

スタッフ:毛は生えてくるんですか?

水野:毛はいずれ生えていきます。本人もご飯を食べていますので、毛を生やすための栄養も十分に取れています。


水野:これが手術後の状態です。
元々かなりぐったりしていましたが、脾臓を取ったことで元気になりました。
ご飯も普通に食べられるようになりましたし、問題なく運動をできるくらいに元気になりました。


スタッフ:お腹の糸を取るまでには、どれくらいの日にちがかかりますか?

水野:だいたい1〜2週間くらいで取ることができます。
この子も10日くらいで取りました。

スタッフ:その間はお腹に包帯などを巻いていたんですか?

水野:巻くことも巻かないこともありますが、あまり気にしないことが多いです。
この子の場合も、何も巻きませんでした。


水野:気にする場合はエリザベスカラーをつけたり、包帯を巻くことがありますが、この子の場合は何も巻きませんでした。
元々お腹にものすごく大きな腫瘍があって、すごく気にしていました。

ずっとお腹を舐めたり噛んだりしていましたが、腫瘍を摘出したことによってお腹を気にしなくなりました。
だから、お腹に傷があるときでも全然気にしていませんでした。

スタッフ:糸を取るまでは、お腹の傷口は痛むのでしょうか?

水野:手術をしているのでおそらく1〜2日間は痛むと思いますが、その間は鎮痛剤を使うなどして痛みを和らげています。
それ以降は痒みに変わってきます。
その頃に傷口をいじる子が出てくるのですが、この子は全然いじっていませんでした。


水野:前回お見せした、摘出した後の脾臓です。
病理検査に出して、脾臓のリンパ腫という血液系の癌という診断でした。
血液系の癌で有名なのが白血病で、リンパ腫は似ている種類の癌です。

リンパ腫だとすると、脾臓だけではなくてもうすでに全身に細胞が散っている場合があります。
この子の場合も、手術後に抗がん剤を投与することになって元気になりました。


スタッフ:抗がん剤のイメージは、かえってしんどくなるとよく聞きますが、どうだったんでしょうか?

水野:抗がん剤は副作用のイメージが強いと思います。
ドラマでも髪の毛が抜けたりとか、ものすごく吐いたり貧血になったりするのが、イメージとしてあると思います。

実際に正しいのですが、量を調整することによってなるべく副作用は抑えられます。
この子の場合は副作用がほとんど出ずに、がん細胞を殺せるくらいの量で治療が出ました。


スタッフ:体中に散ってしまったリンパ腫という病気は、抗がん剤で治りきるものでしょうか?

水野:完治というと少し違いますが、血液系の場合は抗がん剤が非常に良く聞くことがあります。
なので、寛解という症状が出ない・病気が見えない状態にできます。

血液系の癌の白血病やリンパ腫の時は、なるべく積極的な治療をお勧めします。


スタッフ:リンパ腫はワンちゃんネコちゃんにもある病気でしょうか?

水野:ワンちゃんネコちゃんにも非常に多いです。
脾臓のリンパ腫もありますし、全身に症状が出てくるリンパ腫があります。


スタッフ:リンパ腫という病気は、飼い主が気がつくことはありますか?

水野:元気がなくなったり、食欲が落ちてきたりといった症状が出てきますので、
何か異変があったらすぐに病院で調べるべきだと思います。


水野:リンパ腫はフェレットに非常に多い病気なので、おかしいと思ったらなるべく早く病院で調べるべきだと思います。

スタッフ:ありがとうございました。

水野:ありがとうございました。