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2022.07.01

一刻を争う!犬の帝王切開で6つ子ちゃんを救え! Vol.39

フレンチブルドックの帝王切開に密着!
6匹の子を無事に出産することができるのか?!
ご自宅出産のご参考にしてください。

獣医師・山下:6頭なので、子宮もかなり大きくなっていました。出てきた子犬が呼吸をしていなかったりしたら、刺激をとにかく与えてあげてください。出産後、乳首にお口を持っていってあげて吸わせます。

山下:では、動画を見ていきましょう。今、これは麻酔をかけている状態です。

山下:手術が始まりました。今回は、なんと6頭の子犬を出産します。

スタッフ:6つ子ちゃんですね。

山下:6つ子ちゃんです! なので、子宮もかなり大きくなっておりました。

スタッフ:お母さんとしては負担がかかりますか?

山下:そうですね。自然分娩だと命の危険があります。お母さんもですし、最後に出てくる子犬ちゃんは、だいぶ苦しかったのではないかなと思います。そのため、帝王切開はいかにスピードを速く出産させるかというところです。

山下:今、出てきましたね。1匹目ですね。看護師さんに渡して、膜を破っていますね。

スタッフ:息ができるように?

山下:そうですね。素早く破ってあげます。胎盤もついたままです。背中をしっかりこすってあげます。お家で出産した時も、出てきた子犬が呼吸をしていなかったりしたら、タオルで包んであげて、とにかく刺激を与えてあげてください。

スタッフ:たたくよりもさするのが良いですか?

山下:さすってあげてください。まだまだ首が座っていなくて不安定です。そのため、さするときも首をしっかり固定してあげて、首が揺れないようにしてあげることが大事ですね。

山下:1匹ずつ鳴いています。まだ胎盤が付いている状態ですね。

スタッフ:看護師さんたちは総出ですか?

山下:そうですね。6頭いるというのが事前の検査で分かっているので、最低でも6人の看護師さんと獣医が外で待機しています。そして1人ずつ子犬を受け取る、というのが基本です。

山下:これは、へその緒を結んで、胎盤を切り取るという作業をしております。

スタッフ:現場としては本当に時間勝負でしょうか?

山下:そうですね。1秒を争う状態ですので、万が一呼吸していない子犬ちゃんがいたりしたら、緊迫した状況になります。その時は、獣医が対応しております。みんなで擦ってあげています。今回も無事に、6頭とも産声を上げてくれました。頑張りましたね。

山下:全員、へその緒を縛って胎盤を切って、下は保温をしてあげている状態です。みんなスヤスヤ眠っています。

スタッフ:保温は毛布などで行えば良いでしょうか?

山下:そうですね。お家の場合は、下にカイロを引いてあげて、その上に毛布を敷いてあげると、火傷もせず保温状態も続きます。夏場でも、必ず保温してあげてください。

山下:これは、赤枠のへその緒を縛った後、くっついていた胎盤を切った状態です。

山下:こちらは見て分かるでしょうか。お母さんの乳首を摘んであげると、プチュッと初乳が出てきます。それを赤ちゃんに1匹ずつ、お口に1滴でもいいので、咥えさせます。

スタッフ:飲ませるのでしょうか?

山下:はい。免疫をしっかりとつけてあげます。お母さんのお乳の場所が分かったら吸い始めます。吸うことによってオキシトシンというホルモンが働いてくれて、どんどん母乳が出るようになります。そのため、できるだけ乳首にお口を持っていってあげて、お乳を繰り返し吸わせるのが大事ですね。今回はここで母乳が出たので、お口を持っていってあげて、吸わせる、ということを繰り返しています。

スタッフ:出ないところもあるのでしょうか?

山下:出ないところもありますね。出るところはドバドバ出ますが、出ないところは全くでないです。飼い主さんが場所を確認してあげてください。今回はよく飲んでいますね。

山下:ワンちゃんの帝王切開後の、お母さんと子犬ちゃんの様子を見てもらいました。ご自宅での出産の参考にして頂ければ良いかなと思います。また、次の記事でお会いしましょう。さようなら!