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2021.11.30

飼うなら見ろ!ハムスターの歯の切り方+ケアの方法! vol 8

歯が伸び続ける齧歯類のハムスター!!
伸び過ぎると、ご飯が食べられなくなることも!?
齧歯類の歯と注意点について解説していきます!!

メインMC・安藤:今日はハムスターについて、先生に伺っていきたいと思います。

大阪動物医療センター獣医師・村井:通常の診察でワンちゃんネコちゃんを診ているんですが、プラスアルファでハムスターさんやウサギさん、爬虫類さんとかも一緒に診させてもらっています。

ハムスターの歯が伸びすぎた場合

安藤:今日は、ハムスターの歯が伸びてしまったというご相談が来ましたので、早速先生に伺っていきたいと思います!

安藤:下の歯でしょうか?すごく伸びていますね。

村井:これ、パッと見たら普通の人は歯だと分からないですよね。

安藤:分からなかったです。「何か食べ物食べてるのかな?」って思いました。

村井:何か突き刺さっているのかと思いますよね。

村井:下の歯の前歯の2本だけが上に伸びてきている状態ですね。

安藤:クルンとなっちゃっていますね。

村井:「過長歯」と言います。

安藤:過長歯になる原因は何ですか?

村井:ハムスターさんって齧歯類なんですけど、歯が一生伸び続けるんですね。歯が根元のところに生きている細胞があるんです。その生きている細胞がずっと歯を生み出し続けます。感覚的には人の爪や髪の毛と同じ感じですね。

村井:そうした伸び続ける歯を、削らないといけないんですね。かじり木とか、ある程度硬いおやつを食べてみたりとか。飼っている子だったらお家を木にしてもらうとかもアリですね。

村井:そういう環境がなかったりすると、過長歯になってしまいますね。

村井:ハムスターの場合は伸びる歯は2本だけなんですけど、ウサギさんやモルモットさんは前の歯だけじゃなくて奥の歯も伸びてくるんですね。奥の歯の噛み合わせがおかしくなると、グルンとなるのではなくて尖がってくるんです。上の歯が外側に尖って、下側が内側に尖って、それが口の中の粘膜を傷つけて痛くなってしまうというトラブルが起きてしまいます。

村井:このパターンでは、かなり伸びすぎた歯が出てきているから分かるんですが、ハムスターさんの前歯って真っ直ぐ伸びてカールするんですね。上の歯が今伸びているんですけど、内側に入っているんです。なので、定期的に口の中を見てもらう必要がありますね。

安藤:はい。

村井:かじり木があれば、そういう問題が一生起きない子もいます。伸び続けた歯が上顎を突き抜けて鼻の中に入っていくことも。

安藤:鼻の中まで。

村井:そう。めちゃくちゃ痛い感じですね。

安藤:痛いですよね。

安藤:今、下の歯は外にグルンと曲がっていて上の歯は口の中に収まっていますが、上の歯も下顎を突き抜けてグーってなったりするんですか?

村井:そういうパターンは少ないですけどね。上の歯は口の内側に向いているので、外に出にくいです。下の歯が口内に向かって伸びることがあります。その場合は全く見えないですね。

安藤:定期的に口の中を見てあげて、伸びてきたなと思ったら病院に行って切ってもらう。

村井:そうそう。「なんか最近ご飯を食べないんだけど、口を開けたら歯が上下両方ともめちゃくちゃ伸びて口の中に伸びていた」ということもありますね。

安藤:ご飯を食べなくなるんですね?

村井:ご飯食べなくなりますね。ある程度伸びちゃうと。食べるものはペレットを食べて欲しいです。ハードタイプというのがあるんですけど、硬いやつです。

安藤:硬いやつですね。

村井:そういうものに替えてもらった方がいいですね。あとはかじり木とか。

村井:短くなりましたね。

安藤:短くなりましたね。ちょっと痛がってますか?

村井:切っている歯には神経がないんです。

村井:人だったらこのレベルは、とんでもない激痛が走りますけど。

安藤:はい。

村井:ハムスターさんの場合は、神経があるところが歯の根本のところなんですね。ある程度伸びているところは、もう全然神経が無いです。けれども根本に神経があるので、切った時に振動でちょっとビリっとするかなと。激痛じゃないんですよ、全然痛くないんですよ。絶対これで楽になってますね。

安藤:そうですね。ご飯も食べられるようになりますね!

村井:そうですね!

安藤:爪の時って赤いところを切ってしまうと血が出ると聞いたことがあります。歯も神経を切ってしまうと血が出ますか?

村井:血が出ます。歯に栄養を送る血管と、神経は大体同じ位置にあります。

村井:ハムスターさんは、ほとんど神経は歯茎の中に収まっています。なので安心してこれだけ切れます。ペンチみたいなもので切るんですよね。

安藤:自分の家でやるよりは、絶対病院に行ったほうがいいですか?

村井:これは、絶対に病院に来てもらった方がいいですよ。

安藤:ですよね。危ないですよね。

村井:どこらへんまで切ったらいいとか、ある程度、歯を切ることに慣れている方がやらないと危ないです。

村井:歯が突き刺さっていたりして衰弱していたら、点滴が必要になりますが、多分この子は口の中の損傷がないのですぐにご飯が食べられるようになりますよ。

安藤:ちょっとスッキリした顔をしていますね!

村井:これにて一件落着!ということで。

今回の総括

安藤:ありがとうございました!

村井:はい!

安藤:それでは先生、本日のまとめをお願いいたします。

村井:ハムスターさんは歯のトラブルがすごく多いです。人ごとと思わずに、お家のハムスターさんの口の中をぜひチェックして、違和感があったらすぐ病院へ行っていただければなと思いますね。

安藤:はい!ありがとうございます。次回の記事でまたお会いいたしましょう!さよなら!

村井:それでは!