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2022.04.13

危険!犬を寄生虫から守らないと大変なことに・・・! Vol.28

犬の病気であるフィラリア症。
あなたの愛犬は予防をしていますか?
寄生虫から愛犬を守る知識を身につけましょう!

獣医師・山下:糸状の寄生虫が循環不全を引き起こしてしまいます。投薬による死骸が血管内に詰まってしまいショック状態を起こすことがあるため、必ず検査してから予防をします。

山下:皆さんこんにちは! 4月に入りましたが、フィラリア症の予防は始めてらっしゃいますか?

山下:今回は、それぞれの寄生虫のライフサイクルや、予防の大切さをお伝えする記事にしたいと思います。

山下:この子は2ヶ月齢のあんこちゃんです。撮影に協力してもらいます。よろしくお願いします。下で遊んでてね。

山下:今日はフィラリア症の話をしていきたいと思います。フィラリア症は、「犬糸状虫症」と呼ばれます。その名の通り、糸状の寄生虫が心臓に寄生して循環不全を起こす病気です。

山下:心臓の断面を描いてきました。フィラリア症の成虫は糸状(そうめん状)で、30cmくらいになります。この糸状の成虫が、右心室から肺動脈にかけて寄生します。ここに大量寄生することにより、循環不全を引き起こしてしまいます。

山下:主な症状は以下です。咳が出る、元気がない、食欲がない、お腹が膨らむ、血色素尿が出る。このような症状が挙げられます。またワンちゃんだけではなく、猫ちゃんの心臓への寄生というのも、数多く報告されています。そのように猫ちゃんの心臓病の原因として注目されておりますので、是非ワンちゃんと同様に、予防してあげてください。

山下:では、フィラリア症の感染経路を説明していきたいと思います。はじめからこの糸状の成虫が心臓の中に寄生しているわけではありません。小さな小さな幼虫(ミクロフィラリア)を、蚊が運んできて、吸血の時に感染します。

山下:この子がフィラリアに感染しているワンちゃんです。この感染しているワンちゃんに、蚊が飛んできて吸血します。この血液を吸血するときに、ミクロフィラリアも一緒に蚊の体内に入っていきます。蚊のお腹に描かれた黒いぷつぷつをミクロフィラリアとします。このミクロフィラリアは、飛んでいる最中に蚊の体内で成長し、感染能力のある幼虫に変わっていきます。

山下:この状態でご自宅の大事な大事なワンちゃんが吸血されたときに、ミクロフィラリアがワンちゃんの体内に入り、1~2ヶ月かけて血流と共に心臓や肺に運ばれます。

山下:そして、心臓内で幼虫から成虫に変わっていくというサイクルが回ります。

山下:フィラリアのお薬についてお話ししたいと思います。ここにフィラリアのお薬が並んでいます。

山下:おやつタイプや錠剤タイプや液状タイプのものなど、数多くの種類があります。しかし、フィラリア予防薬は、成虫を殺すお薬ではありません。感染して血管内にいるミクロフィラリアを殺すお薬です。

山下:年中フィラリア症の予防をしている方は必要ありませんが、今年初めて予防するという方には、必ず血液検査を実施します。感染している場合に、血管内のミクロフィラリアが投薬によって死滅するのですが、その死骸が血管内に詰まってしまいショック状態を起こすことがあるため、必ず「感染していない」という証明が出来てから予防をするのです。