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2022.11.25

奥歯が口の中に食い込む…歯の噛み合わせが悪い猫の治療 Vol.55


獣医師・橋本:猫ちゃんの歯を削る動画になります。
お口の中を見せてもらうと、軽い歯肉炎・軽い歯周病はあるのかなって感じです。


橋本:下の歯茎に注目していただきたいのですが、穴が空いているんですね。
なぜ歯茎に穴が空いているかというと、
上の歯が当たってしまっているからです。

いわゆる、噛み合わせが少し悪いという状態になります。


橋本:オーナーさんと相談した結果、上の歯を削ってあげて
下の歯茎に当たっているところを緩和させる処置をすることになりました。

口の中をよく見させてもらっています。

スタッフ:下に当たっているんですね。

橋本:これは非常に痛いです。
結構珍しい症例かと思いますが、この子はこれが原因で
口の中を気にしているのかなと思います。


スタッフ:これは歯を削る道具ですか?

橋本:電動のやすりのようなもので、
下の歯茎に当たってしまっているところ削ってあげています。

一気にやると削りすぎてしまうので、
少しずつ少しずつ削っています。


橋本:これは、削った後の歯の表面がザラザラになってしまったり、
歯のエナメル質が剥がれた状態になってしまっているので、
歯にコーティングをしてあげている状態になります。

スタッフ:削ったのは、穴を空けてしまっていた歯だけなんですか?

橋本:実はこの子は左側だけではなくて、
右側も同様の症状が見られたので、両方とも歯を削っています。


橋本:右の写真が、処置をしてから1週間経った後です。
下の歯茎にできていたクレーターのようなものが、
治りかけているのがわかるかなと思います。

スタッフ:赤みもだいぶないですね。

橋本:そうですね。赤みも炎症もしっかり消えてきています。
オーナーさんも口の中を気にしたり、噛み癖が少し減ってきたと
おっしゃっていました。


橋本:こちらが処置から3週間経った後になります。
ほぼクレーターが消えたのが分かるかなと思います。

スタッフ:もう痛みは無くなったんですか?

橋本:そうですね。本人(猫ちゃん)も気にすることが減ってきたと、
オーナーさんがおっしゃっていました。
処置をしてあげてよかったと個人的に思います。


橋本:猫ちゃんの噛み癖が治らないとか、口の中を気にするという時。
それが本当に癖なのか、病気が背後に隠れているのかと言うのは、
しっかり見分けてあげる必要があります。

今回の子は、背後に病気が隠れていたというケースになります。