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2022.07.01

命の危険……亀の肺炎治療を全てお見せします。Vol.40

亀が肺炎になってしまいました…
治療の様子をお伝えします!
亀は動きも緩慢なので症状があったらすぐ病院へ行きましょう!

獣医師・村井:今日はカメの肺炎に付いてお話ししていきたいと思います。

村井:今回診察した子がどんな子かと言うと、ロシアリクガメという種類のリクガメです。この子はまだ子供です。

スタッフ:子供なんですか?もっと大きくなりますか?

村井:もっと大きくなりますね。この一回り以上は大きくなります。

村井:病院に来られてレントゲンを撮ったら、肺が真っ白になっていました。1週間前に比べて、黒くなっているところが少し増えています。本人も食欲が出てきて動きも良くなってきていて、肺炎が改善しています。

村井:レントゲンを撮るとき、ワンちゃんネコちゃんは正面と横側からだけなのですが、カメさんだけの特殊な撮り方があります。顔を真正面に剥けている状態ですね。肺が一番見やすいです。

スタッフ:へえー!

村井:真正面からじゃないと、肺の黒さや白さが評価できないんですね。

スタッフ:じゃあカメさんの場合は必ず三方向から撮るのですか?

村井:そうです。必ず三方向です。寝ている状態や横からパシャっと撮るのは、肺炎以外の食欲が無くなっちゃう原因を見るためですね。例えば膀胱結石や卵詰まり。何か変なものを飲んでしまったりなどを評価するために、三方向で撮っています。

スタッフ:肺炎になる原因は風邪とかですか?

村井:その通りですね。人と一緒ですね。鼻炎や何かしらの感染症に罹ってしまって、体の抵抗力が落ちてしまっている。環境の変化だったり季節の変わり目で影響を受けてしまって体力が落ち込んでいる時に、そういうのが強く出てしまうと、肺炎までいってしまいます。

村井:肺炎になってしまうと、基本的に自力回復は厳しいです。適切な処置をしないと最悪の場合は命がなくなってしまいます。

村井:治療は何をするかというと、点滴とネブライザー療法と言ってモクモクとなっている薬の入った水蒸気を吸っていただきます。ネコちゃんやワンちゃんと一緒ですね。

村井:点滴はどこからすると思いますか?

スタッフ:点滴ですか〜?どこだろう……?腕とかだと思っていたんですけど……。

村井:そうですそうです!正解です!今はうんちをしていたので取っていました。

スタッフ:緊張しているんですかね?

村井:そう、緊張するとカメさんって結構うんちしちゃうんですよ。

村井:点滴は、後ろ足を引っ張って付け根に打ちます。

村井:カメさんの足を出させるコツがあります。甲羅の中って容量が決まってるんですよ。なので、前足が出ないように押すんですね。そうしたら出したい足だけ押されてちょっと出てくるので、それを掴んで引っ張ります。

スタッフ:そうなんですね!

スタッフ:針も細いですね。

村井:針もめちゃ細いやつですね。

スタッフ:点滴は注射ですぐ終わるんですね。

村井:そうですね。点滴は注射ですぐ終わる感じです。中に抗生剤やビタミン剤、お腹の動きを良くする薬を入れています。

村井:眠くなっちゃった(笑)シュール(笑)

スタッフ:ワンちゃんやネコちゃんが使うところですね?

村井:そうです。入った後はアルコール消毒をしています。こういった治療を2日に1回していくことで調子が非常に良くなりました。あと1〜2週間治療を続けたら、元気になると思います。

スタッフ:点滴やネブライザーをすると、何日くらいでご飯を食べ出しますか?

村井:カメさんによって違いますね。また、肺炎の程度によっても全然違います。すごく酷い子だと点滴をしたことがきっかけで命がなくなってしまうような子もいます。

村井:基本的には症状が出て病院に来ている時点で、病気の状態としてはかなり進行してしまっています。特に小さい子は顕著なので、そこは細心の注意を払いながら医療行為をおこなっていかなければなりません。

村井:カメさんは非常に動きも緩慢な子なので、些細なことも気付きにくいですけど、ご飯を食べているかとか呼吸が荒い、鼻ちょうちんが出ているなどの症状が肺炎の場合出やすいです。そういうところを見てあげて、ちょっとでもそういうところがあったら様子見せずに、特に小亀さんの場合はすぐに病院に連れてきて上げてください。お願いします!