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2022.06.07

健康診断に怯えてしょんぼりする犬が可愛すぎた… Vol.35

犬の健康診断に密着しました。
採血や触診などを行い、くまなく全身をチェックしていきます。
病気を未然に防ぎ、愛犬が健やかな暮らしができるようにしましょう!

獣医師・山下:このように、鼻の先からお尻の尻尾の先までを診察するのが基本です。

山下:今回は、どのような流れで健康診断を実施しているのか、というのをお見せしようかなと思っています。

スタッフ:これは触診というものですか?

山下:そうです。まずは、やはり触診が、獣医師の一番大切なところだと思います。このように、鼻の先からお尻の尻尾の先までを診察するのが基本です。

山下:これは目を診ています。両眼を診て、白目の色などを診ます。また、口の中を診て、歯石が付着していないか、歯肉炎になっていないかを診ます。

山下:こちらは耳の中ですね。お顔まわりは一番重要な箇所です。お顔のまわりのリンパ節も触って確認しています。

山下:また膝のお皿の状態ですとか、股関節の動き方。そして次は骨格を診させてもらって、腰を触って痛みがないかを確認していますね。

スタッフ:痛みがある子は、このときに鳴いたりするのですか?

山下:そうですね。例えば腰のヘルニアが軽度に表れてしまっている子ですね。腰を触っていくと、痛い箇所で、キャン! と鳴かなくても、後ろを振り返る子はいます。そういったところも、触診の大事な見方のひとつだと思います。

山下:骨格を触らせてもらった後は、お腹の触診です。お腹をクックと押さえています。

山下:一番大事なのは、いろいろな臓器ではないもの、あってはいけないものに触れるときには、できものや腫瘍の可能性があるということです。触診をしていて、「触り心地がいつもと違うな」ということに気づくことがあります。それも、大事な検査のルーティンワークのひとつですね。

山下:そして聴診ですね。

スタッフ:心臓の音を聴いているのですか?

山下:心臓の音を聴いています。

山下:一通りの身体の観察が終わりましたので、いよいよ採血です。採血方法は、動物病院により様々です。そのため、一概にこれが正解です、ということはありません。首の頚静脈から採血する病院もありますし、それは病院によって様々です。

スタッフ:採血の量は意外と多いんですね。時間がかかるのですね。

山下:そうですね。注射器で吸ってしまうと血球が崩れてしまうこともあるため、自然滴下でポタポタと垂らしています。そのため、少し時間はかかるかもしれないですね。

山下:ここでは、看護師さんが止血といって、指で押さえてくれています。そこに絆創膏を貼ります。帰るころには血は止まっているので、外して帰ってもらいますが、検査をしている間は貼っています。

山下:その採った血を顕微鏡に垂らします。ミクロフィラリアというフィラリアの幼虫がいないかを確認する検査をしたり、フィラリア抗原の検査といって、フィラリアの成虫が心臓に寄生していないかを確認する検査をしたりします。

スタッフ:この検査を一通り終えるまで、だいたい何分くらいかかりますか?

山下:この検査は、10分から15分あれば、検査結果が出ます。たくさん量をもらえれば健康診断ができますので、内蔵のチェックをする方が非常に多いです。その場合は、20分くらいかかります。1年に1回の健康診断で、内臓のチェックを合わせて行うことは、非常に良いと思います。

山下:この子は検査結果が非常に良好でした。そして、フィラリアの検査をした後に、狂犬病や混合ワクチンを同じ日に摂取する方が多いです。今回、このトイプードルちゃんは、混合ワクチンを摂取してくれました。よく頑張りました。

今回の総括

山下:4月に入って、フィラリアや寄生虫の予防シーズンになりました。皆さん、健康診断も兼ねて、一度病院へ足を運んでください。お待ちしています!