ハムスターがハゲました……。
脱毛の治療法を詳しく解説します！
ハムスターが健やかに暮らせるように知識を身につけよう！

スタッフ：そこの首のところでしょうか？

獣医師・村井：そうですね。首の後ろの部分の脱毛で、今回来院されました。この子はゴールデンハムスターさんで毛が長いタイプの子ですね。

村井：意外とハムスターさんの脱毛って気づきにくいことが多いので、部屋んぽとかをしていて上から見た時に「あれ？！なんか抜けてるな？！」と気付かれて来られる方が多いです。

村井：脱毛の時に考えないといけない原因は、結構たくさんあります。感染症やホルモン失調だったり、飲んでいる薬によってなってしまったり、外傷とかですね。自分のお部屋の中に入るときに、部屋の入り口が狭すぎて、頭の上を擦ってたりという場合でもなってしまったりします。

村井：ワンちゃん猫ちゃんよりもハムスターさんの脱毛に多い原因が、ニキビダニという寄生虫です。このハムスターさんは今の所、それは見つかっていません。

村井：皮膚が赤くなっていて明らかな感染症が原因の脱毛であれば、感染症を除外すれば結構すぐに治ったりすることが多いです。

村井：この子は皮膚がすごく綺麗ですよね。皮膚が赤くなっていたりフケが出ていることがなく、本来の皮膚の色が残っている脱毛の仕方です。こういう脱毛の仕方は、治るのに時間がかかることが多いですね。

スタッフ：脱毛しているときに、検査をすることはありますか？

村井：ありますね。

村井：脱毛の時にカビに感染していることもあるので、毛を抜いてカビの培養キットにさしたり、顕微鏡で毛の様子を見たりとか。かさぶたが出来ている時はその部分を顕微鏡で見て、変な細胞が出ていないかをチェックします。

村井：基本的には、ハムスターさんがよっぽど暴れない限りは、麻酔をかけずに出来ます。結果も比較的すぐ分かることが多いです。カビの検査は2週間かかります。

村井：皮膚病は、治るのに思ったより時間がかかってしまいますね。皮膚は「ターンオーバー」と言って、下から順番に皮膚の細胞ができていきます。それが大体3週間くらいかかります。

村井：そのため、皮膚病がある場合は最低でも2〜3週間は見てもらう必要がありますね。

村井：毛に関しても同じです。一回抜けた毛がもう一回生えるのに、毛周期をたどる必要があります。毛が抜けて、下に控えている毛が生えてくるのも時間がかかってしまいます。毛に関していうと、1〜3ヶ月くらいはかかってしまいます。

村井：このハムスターさんは、飲み薬治療のやり方を飼い主様に説明しているところです。哺乳瓶みたいなのが水薬です。体も小さいので、1回で飲む量も少ないです。

村井：1日2回飲んでもらっています。実はこの薬、甘く調合しているので、ほとんどの飼い主様が苦労せずにあげていらっしゃいます。むしろ薬の瓶を見せると、寄ってくることもあるくらいです。

スタッフ：美味しいということがわかってですか？

村井：そうです。2週間ぐらいしたらまた検診に来ていただこうと思っています。

今回の総括

村井：ハムスターの脱毛は放置すると、重症化したり病気を治すのに難しくなります。早めの受診をお願いします！

スタッフ：ありがとうございました！

村井：ありがとうございました！