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2022.02.28
うちの娘が妊娠しました…ワンちゃんの妊娠鑑定と出産準備 Vol.21
犬が妊娠したら飼い主さんはどうしたらいいのでしょう?
いつ動物病院へ行ったらいいの?
犬への接し方や注意するべきポイント、妊娠鑑定方法をお伝えします!
獣医師・山下:わんちゃんの妊娠鑑定のお話です。わんちゃんの妊娠期間って知ってますか?
メインMC・安藤:妊娠期間。
山下:人間は十月十日と言われますよね。だいぶ長いですが。
安藤:そうですね、長いですね。
山下:わんちゃんや猫ちゃんは約何ヶ月だと思います?
安藤:えー!一緒かと思っていましたけれど、じゃあ半分くらいで5ヶ月とか6ヶ月くらいかな?
山下:実はね、2ヶ月で生まれます。
安藤:早い!
山下:犬だったら60日前後。60〜65日くらいです。猫ちゃんはもう少し長めで、平均が63ー65日くらいです。
安藤:はい。
山下:オスとメスが交配をして赤ちゃんを作りますが、今ゴロンと横になっているこの子は交配してから今日が53日目でした。なので、早ければ来週には生まれますよっていうぐらいの状況のわんちゃんです。
安藤:わおー!
山下:優しく体をケアしながら検査をします。
山下:40日くらいで「胎嚢(たいのう)」という赤ちゃんが育つ袋が見えてきます。その時点で、エコーで確定診断となります。その時点では何頭いるかわからないです。正確な数字を出すためには50日以降にレントゲン写真を撮って、骨を見てお腹の中に実際に何頭いるかというのを見ていきます。
山下:この子は53日目なので、レントゲンとエコーの両方の検査をして妊娠鑑定を行いました。
安藤:はい。
山下:この子は、まずエコー検査をしました。何を見るかというと、さっき言ったように頭数はエコー検査では確定できないんですね。
山下:エコーで見て、ドクドク動いているのは赤ちゃんの心臓です。
安藤:赤ちゃんの心臓ですか!
山下:この赤や青の色が混じって見えると思うんですが、これは「カラードップラー」と言って血液の流れを色で示しています。目で見て心臓が動いているというのも分かりますし、心臓に合わせて音を出すこともできます。どんどんどんどんという音は、心臓が動いている証拠です。
山下:一頭一頭赤ちゃんの心臓に当てて、カラードップラーで「動いているね、じゃあ実際に音を聞いてみましょう」「赤ちゃん元気ですよ」と確認しているところです。
安藤:はい!嬉しいですね!
山下:ですね!
山下:私も妊娠鑑定をする時は、必ず飼い主さんにも入ってもらっています。この瞬間って感動的なので、一緒に心臓が動いているのを確認してもらっています。
安藤:はい!
山下:これがレントゲンの写真です。横になってビヨーンとしている感じで、左が頭、右がお尻です。上側に背骨がずっと写っていて、アーチになっているのは肋骨です。
安藤:はい。
山下:ここに頭蓋骨が見えますか?
安藤:おおーすごい!!
山下:「頭骸骨(とうがいこつ)」と言います。
山下:頭蓋骨が、1、2、3ありますよね。
安藤:はい。
山下:この頭蓋骨の後頭部から、背骨が伸びているのが分かりますか?グイーンと伸びていますね。
安藤:はい!
山下:必ず頭と背骨をセットにして、一頭と数えます。頭だけや背骨だけで数えてしまうと、肋骨とかも判断してしまいます。例えば三頭なのに五頭と診断してしまうと、自宅で出産の時に「先生に五頭と言われたんだけど、なかなか次が出てこない。次が出てきたのに」ってことになってしまいます。
安藤:はい。
山下:ですので、レントゲンで妊娠鑑定をする時は必ず頭と背骨をセットにして、何頭いるかというのを数えます。この子の場合は三頭います。
安藤:三頭なんですね。
山下:こちらのレントゲンでは、バンザイをしてもらって仰向けでお腹から撮っています。
安藤:はい。
山下:この左の子は頭が上になっていて、右の子が頭に下になっているのが分かりますか?
安藤:そうですね。
山下:人間の場合だと逆子って言われちゃいますよね。
安藤:そうですね。
山下:頭から出てくるのが普通だと言われると思うんですが、わんちゃんや猫ちゃんは足からでも別に大丈夫です。それによって命の危険があるというわけではないです。
山下:飼い主さんからも「この子逆子だけど大丈夫?」とよく聞かれますが、「大丈夫です!問題なく生まれてきますよ」と伝えました。
安藤:そうなんですね!
山下:このお母さん犬は、そろそろ出産の準備に入ります。例えば「巣篭もり」と言って、自分の赤ちゃんを産んで温かい寝床で育てるために毛布を集めるような行動をしたり、少し母性が出てきて人が近づくと唸ったりします。
安藤:野生的ですね。
山下:そういうのをする時期になりますので、できるだけ穏やかに、あまり干渉せずにお家の方は見守ってほしいなと思います。
安藤:そうですね。心配にはなりますが、そういう時こそそっとしたいです。
山下:うん。見守るのがいいと思います。
山下:あとは栄養をしっかり摂らせてあげて、赤ちゃんを産んだ後に母乳がしっかりと出せるようにしてあげることですね。
安藤:元気に産まれてきてくれることを願います!
今回の総括
安藤:それでは、今回のまとめをお願いします!
山下:ワンちゃんの妊娠鑑定は、交配日から約40日くらいですることができます。頭数や実際に心臓が動いている様子は、50日以降にはなってくるので、そこは獣医さんと相談してもらいながらとなります。確実な交配日が分かっている場合は、何日目かということを伝えてもらって、妊娠鑑定をしてもらってください。
安藤:ありがとうございました!
山下:ありがとうございました!
安藤:次回の記事でお会いしましょう!さよなら!
山下:さよなら!