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2023.11.21
誰でもわかる!犬が痛がるできものの対処法!Vol.75
口の中に出来物ができてしまったワンちゃん。
ご飯を食べなくなるだけではなく命に関わることも…
一刻も早く摘出していきます!
獣医師・水野:こんにちは!WOLVES HAND調布動物医療センター獣医師の水野です。
よろしくお願いします。
スタッフ:よろしくお願いします。
先生、今日のテーマを教えてください。
水野:今日は、口の中に出来物ができてしまったワンちゃんについてです。
スタッフ:よくありそうですよね。
水野:口の中の出来物は比較的多いかなと思います。
飼い主様が見つけてこられるパターンもありますし、
口の中がなかなか見られない子もいますので、病院に来たタイミングで見つかったりします。
後は、歯石除去ですね。歯石を取ろうとして麻酔をかけて口を開けたら、出来物があるパターンが多いです。
水野:これが右の下あごにできている出来物ですね。
おそらく、この時点で本人も痛みを感じている状態かなと思います。
スタッフ:ここまで腫れた時、日常生活で困ることはありますか?
水野:歯が当たって出血したり、痛みでご飯が食べづらいというのは考えられるかなと思います。
水野:これがレントゲンの画像になります。
この辺りが腫瘍があるポイントです。
水野:その下の骨が溶けてしまっているのがわかります。
溶けると骨が黒っぽくなりますが、周りの顎の骨に比べて黒っぽくなっているのがわかると思います。
この腫瘍はこの段階で、骨を溶かすほど悪いものだということで、手術をした方がいいということになりました。
スタッフ:ここまで大きくなるには時間がかかりますか?
水野:実際にはこの子はそこまで時間がかかっていないようで、
2〜3週間くらいで大きくなったのではということでした。
この子の場合は見つけて来院されて、レントゲン上でも悪そうだということで、翌日すぐに手術になりました。
スタッフ:2〜3週間で大きくなるのは、悪いものの特徴ですか?
水野:はい。短期間で大きくなっている場合は、あんまり良くないものの場合が多いかなと思います。
皮膚にできている場合は割と良性のことが多いんですが、
口や粘膜にできている場合は悪いもののことが多いです。
口の中や粘膜に何か出来物があると場合は、なるべく早く病院にかかった方がいいと思います。
スタッフ:口は出血が多いんですか?
水野:口はかなりしますね。
下あごの骨の中にかなり太い動脈が走っていますので、出血はかなり多いですね。
スタッフ:先ほど、あごの骨も溶けているとおっしゃっていましたが、その場合はあごの骨はどうするんですか?
水野:基本的には摘出するしかないかなと思います。
口の中の腫瘍はその後に全身に転移することが多いので、基本的には骨ごと摘出するということにはなります。
この子の場合も腫瘍を中心に、前の犬歯の後ろの部分から奥歯まで全部骨を取るように手術をしました。
スタッフ:飼い主さんとしては、あごの骨がなくなってしまうのはかなりショッキングだと思うんですが、命を繋ぐというためには大事なことなんでしょうか?
水野:おそらくこの腫瘍を放っておいたら、1〜2ヶ月で亡くなってしまう可能性が非常に高かったので、手術はせざるを得ない状況でした。