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2023.11.13

ハムスターの足が動かなくなって手術をしたその後… Vol.72


獣医師・水野:こんにちは。
WOLVES HAND、調布動物医療センターの水野です。
よろしくお願いします。

スタッフ:よろしくお願いします。
今日は、手術を終えた後の、ハムスターちゃんについてお話しいただきます。


水野:はい。これが麻酔から覚めた直後です。
問題なく、意識もはっきりしています。
骨も真っ直ぐ付いている状態です。
まだ体重はかけられませんが、手術は無事成功に終わったと思います。


スタッフ:痛みはあるのですよね?

水野:そうですね、痛みはありますね。
折れた時点から痛みがあります。
さらに手術で皮膚や筋肉を切るので、一時的に痛みが増してしまいます。
手術の時には注射で麻酔を入れますので、ある程度はコントロールできますがゼロにはできません。


水野:これが術後1週間後くらいです。
まだギプスを装着している状態です。
ぎこちないですが、ちょこちょこ足をついています。
この状態でも、おうちでは活発に動いてしまうようで、ギプスを何度か付けなおしています。

スタッフ:元気で活発な子だから、足が折れてしまうということもあるのでしょうか。

水野:そうですね。それもあると思います。
この子も高いところから跳んで、折れてしまいました。
活発な子は、折れるリスクが高いかもしれません。
ギプスが付いている状態ですが、体重を少しかけられているかなと思います。


スタッフ:手術の後は、お薬を飲むなどはありますか?

水野:基本的には、抗生剤と鎮痛剤を使って治療をしていきます。

スタッフ:どのくらい飲まないといけないでしょうか?

水野:だいたい2週間から1ヵ月です。
しかし、この子の場合は骨で皮膚が破れていたため、少し長めに飲んでいます。


水野:ハムスターはエキゾチックアニマルと呼ばれる動物です。
これらは、手術で麻酔をしたことによってお腹の動きが止まってしまうことが多いです。

肉食獣の場合は、1~2日食べない場合でも大丈夫です。
しかし、ウサギ・ハムスター・モルモットなどは、少しでも食べない期間があると、それだけで死んでしまいます。
そのため、お腹を動かすお薬や食欲が増えるお薬を使います。


水野:これが手術から1ヵ月後くらいです。
骨の中に入れていたピンも、抜いています。
問題なく歩けていて、体重もかけられています。


水野:骨もまっすぐにくっついていますし、おうちでは回し車などで走り回っているそうです。


スタッフ:ピンを抜くときも、もう一度麻酔をかけるのですか?

水野:そうですね。
ピンを抜くときは、どうしても麻酔をかけることになります。

しかし、ピンは、1~2分で抜けます。
そのため、非常に短時間で終わります。
痛みについても、皮膚を切る程度の痛みで済みます。
骨自体にほとんど痛みは無いと思います。

スタッフ:骨折の場合は、人間だと全治何か月という話になります。
ハムスターの骨折となると、どのくらいの目安になるでしょうか?

水野:年齢等にもよりますが、約1~2ヵ月はかかります。


スタッフ:この子は、元通りの生活に戻れたということですね。

水野:そうですね。
この子は完全に治療が終了しています。
そのため、通院も終了しています。