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2022.09.20

激痛で悶え苦しむ犬…実は肛門腺が破裂していた【獣医が徹底解説】 Vol.52

肛門腺が破裂していたワンちゃん
治療の様子や予防法を獣医が徹底解説します!


獣医師・橋本:肛門腺というのがワンちゃんのお尻の近くには2つあります。
その肛門腺がいろんな原因で破裂してしまうのが「肛門腺破裂」です。

1番多いのは肛門腺から出てくる道が詰まってしまうことで、本来出ていくべき肛門腺の汁が溜まりに溜まってしまい、
最終的に破裂するという形です。


橋本:今、汁が出てきている上がお尻の穴です。
汁が出てきているところが、まさに破裂してしまったところです。


スタッフ:これは膿ですか?

橋本:そうですね。肛門腺が溜まりに溜まると最近感染が起こってくるので、中に膿が溜まってしまいます。
肛門腺だけではなく、膿も一緒に出てきてしまう形になりますね。

スタッフ:ワンちゃんはすごく痛そうですね。

橋本:そうですね……。
人でも痔になるとなると、とても痛いと思いますが、ワンちゃんも同様にお尻周りは非常に敏感で痛いですね。


スタッフ:これは針を刺しているわけでないんですか?

橋本:針ではなくて、柔らかく細いストローみたいなものを中に入れて洗ってあげています。


スタッフ:これは今、ワンちゃんのお尻に何を当てているんですか?

橋本:洗浄した後の傷の部分に、レーザーを当ててあげています。
レーザーを当ててあげることで痛みが少し落ち着いたり、あとは治癒の促進が少し早まったりします。
こういう肛門腺破裂の子には、しばしばレーザーを当ててあげるような治療も行います。

飼い主さんが気づかれるきっかけとして多いのが、お尻の周りから膿のようなものが出ている、
お尻の周りをよく舐めている、お尻をよく擦っているといったことが挙げられますね。


橋本:やっぱり舐めたり擦ったりすると、破裂が促進する原因になります。
そういった行動が見られましたら、早めに病院に来てもらうことはすごく大切なことかなと思います。


橋本:溜まりやすさはそれぞれですが、肛門腺破裂にならないように大切なことは、
月に一回程度、肛門腺絞りをしてあげるのが大事になると思います。


橋本:多くの場合は洗浄や抗生剤の飲み薬で完治するケースが多いです。
中には繰り返してしまう場合だったり、どうしても治らないという場合は手術が必要なケースもあります。

今回の総括


橋本:肛門腺絞り、馴染みがない飼い主さんも中にはいらっしゃると思います。
定期的に肛門腺を絞ってあげるということは、このような肛門腺破裂を引き起こさないために非常に重要になります。

ワンちゃんでも猫ちゃんでも肛門腺は見られますので、肛門腺絞りを定期的に動物病院で行うようにしてください。