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2022.06.22

【新しい命】犬の帝王切開で赤ちゃんを救え! Vol.38

ブルドックの帝王切開に密着!
お母さんも赤ちゃんも命がけで頑張りました。
感動的な瞬間をぜひご覧下さい!

獣医師・山下邦枝:今回、帝王切開を頑張ってくれたブルドックのお母さんは、この子です。よく頑張ってくれました!見ていきましょう。

山下:帝王切開をする前に、エコー検査をします。レントゲン検査やエコー検査というのは、麻酔が無くてできる侵襲性の少ない検査です。非常に有効だと思います。

山下:この子は、事前にお腹の中に何頭いるか確認できているので、頭数が分かっています。お腹に何頭いるか事前に把握しておいて、帝王切開する前はその子たち全員の心臓がしっかり動いているか確認します。

スタッフ:帝王切開は絶対あるものなのでしょうか?

山下:基本的に、トイプードルさんやチワワさんなどの小型犬は、お家で出産されることも結構あります。

山下:ブルドックなど骨格の大きい犬種、あとは短頭種は、自然分娩だと出産のリスクが高いと言われているので、帝王切開になることが多いかなと思います。

山下:一頭ずつ、心臓の音が鳴っているか聞こうとしています。心臓がドクドク動いているところにカーソルを合わせて、心臓の音を拾っていきます。

スタッフ:ドクドクと音が鳴っているのが聞こえますね。

山下:元気ですね!このお母さんの子は三頭とも心臓が元気に動いていました。帝王切開をこれからしていきます。

山下:子宮から赤ちゃんが出てきました。今はまだ膜に包まれている状態で、呼吸ができません。周りの看護師さんが素早く膜を剥がしてあげて、丁寧にさすっていきます。

山下:今何をしているかというと、お口や喉に入ってしまった羊水を(タオルに包んで振ることで)出してあげています。それによって呼吸が誘発されます。

山下:背中をこすってあげることで刺激が起こって、呼吸をしたり産声を上げたりします。声を上げてくれるというのは非常に大事です。

山下:二頭目が出てきたんですが、まだ膜が破れていないですよね。膜を破きました。

スタッフ:目はちょっとの間、開かないんですか?

山下:目は出産後すぐに開くわけではなくて、数日かかります。


 
山下:鳴いているかどうか、常に確認します。そして、呼吸が安定しているかも確認します。

山下:三頭無事に生まれました!みんなスヤスヤ眠っています。このあと大事なのは、体を冷やさないことです。保温してあげることと、お母さんの初乳を飲ませてあげます。

スタッフ:すぐに飲ませるのがいいんですか?

山下:そうですね。産まれてすぐ飲ませてあげることが多いですね。

山下:この子は小さかったんですが、他の二頭の子たちは体がだいぶ成長していました。自然分娩だとおそらく詰まってしまって出産できず、母子ともに危険な状態だった可能性があります。帝王切開で間違いなかったかな、と思いますね。

山下:子犬の出産は、お母さんが命懸けで行っていますので、優しく見守りたいなと思います。それではまた、次の記事でお会いしましょう!