もし、てんかん発作が起きたなら・・・
迷ったら病院へ連絡を
てんかん発作は様々な原因で起こります。すぐに病院に行かなくても良い場合もありますが、迷ったらすぐに病院へご連絡ください。
特に猫、6か月以下の子犬、7歳以上の犬猫の場合は病院での診察を強くお勧めいたします。
痙攣の回数が多い場合は、寿命に影響しますので、適切に検査し、把握することが大事になります。
5分経っても止まらない場合はすぐに病院へ
5分経過してもてんかん発作が止まらない場合、またはてんかん発作がしっかり落ち着く前に再度てんかん発作が起きる状態を「てんかん重責発作」と言います。
急ぎ治療が必要な状態ですので、すぐにご来院ください。
てんかん重責発作の場合、起き始めてから30分が経過すると、徐々に痙攣を抑える薬が効きにくくなるので時間との勝負になります。
てんかん発作の分類
てんかん発作は原因により、大まかに下記のように分類されます。
- 特発性てんかん:初発が6か月以上6歳以下で、MRIなどで脳に異常が見当たらない場合
- 構造的てんかん:脳腫瘍や脳梗塞、脳炎など脳内の異常によっててんかん発作がおきるもの
- 原因不明のてんかん発作:初発が7歳以上で、MRIなどの検査で特に異常が見当たらない場合
はじめて痙攣が起きたら
はじめて痙攣が起きた場合は、必ず受診しましょう。
問診
来院時に痙攣が落ち着いている場合は、まずお話をお伺いさせていただきます。痙攣が起きる病気はてんかん発作だけではなく他にも病気があり、また似たような症状を示すものもありますので、それらを鑑別します。
- 反応性発作:脳以外の問題で起きるもので、低血糖や肝性脳症、中毒などがあります。
- 失神:不整脈などが原因で急に倒れてしまいます。通常運動時に起こります。
- 頸部痛:痛みで叫び、その後あまりの痛さに倒れてしまうことがあります。
検査
次に検査を行います。主に反応性発作など頭の中の病気を除外することが目的になります。
- 一般身体検査:心雑音はないか、痛みはないかなど体全体をチェックします。
- 血液検査:低血糖はないか、肝性脳症はないか、貧血はないか、代謝性疾患はないかなどをチェックします。
- レントゲン検査:心臓の大きさや肺の状態、肝臓の大きさなどをチェックします。必要に応じて超音波検査も行います。
- 血圧測定:低血圧や高血圧になっていないかをチェックします。
- 神経学的検査:痙攣が起きていない状態で、神経学的に異常がないかどうかを確認します。
MRI検査の必要性
てんかん発作は脳の問題であることが多いので、MRI検査を行わないとはっきりしたことがわかりません。そのため、治療を行う上でMRI検査は必要不可欠になります。
必ずMRI検査を行いましょう
必ずMRI検査を行った方が良い場合は下記のようになります。
- てんかん重責発作:5分以上痙攣が続く状態。
- 群発性発作:1日に2回以上てんかん発作がある状態。
- 7歳以上ではじめて痙攣が起きた場合
- 猫
- 普段の生活に問題はないが、2回目のてんかん発作が起きた場合
- 脳神経検査で異常がある場合
上記の場合は脳に異常があることが多く、それにより治療の選択肢が変わることもあるため、MRI検査は必須となります。
特発性てんかん以外は何かしら脳に異常がある状態です。そのため、検査をすればするほど特発性てんかんと考えることができますが、検査が少なければ特発性てんかんと断定することはできません。
治療との兼ね合い
てんかん発作は1回目の痙攣が起きて、次に24時間以上経過して再度痙攣があった場合を言います。そのため、必ず2回の痙攣発作は起きているのですが、下記の場合には治療を開始します。
- 脳内に異常がある(構造的てんかん発作)
- てんかん発作の起きる間隔が短い場合
MRIの検査を行わないと脳内に異常があるかどうかはわかりませんので、MRI検査で脳を検査することは非常に重要になります。