エチレングリコール中毒
エチレングリコール
エチレングリコールは甘い味のする物で、車の不凍液や昔の保冷剤、一部の接着剤や着色料に含まれます。
甘いので間違えて舐めてしまうことが多いのですが、このエチレングリコールは口から入ると急性腎障害を起こし、死亡率は70%程度とされる怖い中毒症状を示します。
病態
エチレングリコールはアルコールと一緒で最初は酔っぱらったような感じになりますが、その後腎障害を起こし、急性腎障害により乏尿、無尿状態になります。
摂取後2~3時間で血液中の濃度はピークとなり、その後嘔吐や元気消失、痙攣などが見られます。
急性腎障害になると尿が産生されないため、亡くなってしまうことが多く、それ以外でも脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすこともあります。
治療
エチレングリコール中毒は、他の中毒と異なり症状や状態の変化が出てからでは治療は手遅れになることが多い病気です。
何よりも必要なのは迅速な血液透析による毒素の除去になります。時間が経過してから血液透析を行っても障害を受けた臓器はもとに戻りません。
一般に6時間以内に血液透析を行う必要があると言われていますが、血液透析を行うにあたり、血管の確保などが必要なため、エチレングリコールを舐めてしまったら早急に病院にいらしていただく必要があります。