物理療法

 物理療法とは、電気や超音波、レーザー、温熱などを利用して症状を緩和させる方法です。
 主に痛みのコントロールや神経刺激、筋力の回復を期待して使用されます。
 この物理療法はマッサージ療法や運動療法と併用することによって、より良い効果を発揮します。

1.温度療法

 温度療法とは、患部を冷やしたり温めたりする物理療法で、冷やすものを寒冷療法と言い、温めるものを温熱療法と言います。
 寒冷療法は術後3日以内の急性期に行うことが多く、保冷剤のような氷にタオルを巻いて患部に10~15分あてます。これにより血管が縮小し、代謝が減少して炎症が軽減され、痛みを和らげます。この寒冷療法はだいたい3cmの深さのところまで有効です。
 温熱療法はだいたい術後3~5日に行うことが多く、電子レンジで温められるホットパックや蒸しタオルのようなもので温めます。温めることによってリラックスしたり、痛みが和らいだり、神経機能の改善が認められたり、血流の増加が見られたりします。ホットパックの場合はだいたい1cmの深さのところまで有効です。

2.超音波治療法

 超音波療法はより深い部分を温めることができる温熱療法で、筋炎や骨折、前十字靱帯断裂などに使用されます。この超音波治療を行う際は、心臓や精巣、金属インプラント部分は避ける必要があり、また妊娠している動物も避ける必要があります。また骨周囲にあてる場合は、成長版にあてないように注意が必要です。
 超音波治療を行う際は、患部の毛をしっかり毛刈りしてあてた方が、より良い効果を得ることができます。

当院では行っておりません。

3.レーザー治療法

 損傷や障害に対して近赤外線を照射すると、細胞内のミトコンドリアに作用して、細胞が活性化します。この作用をフォトバイオモジュレーション効果と言い、その部位の組織の治癒促進や疼痛緩和を促します。
 主に痛みの緩和や炎症の抑制、神経組織の改善などに用いられますが、組織治癒効果もあるため外傷などにも使用されることがあります。

4.電気刺激療法

 電気刺激療法は神経疾患や整形外科疾患で効果があると言われています。電気刺激により筋肉の緊張と弛緩を繰り返し、筋力のアップを促します。また痛みを緩和する効果があり、局所の循環を良くして、炎症を緩和させます。
 電気刺激は直接患部に当てる場合もありますが、患部に金属インプラントがある場合は直接刺激することは禁忌のため、脊柱周囲に設置して、その刺激によって患部を動かし治療を行うこともあります。

当院では行っておりません。